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【GaNFET】大幅な小型化と高性能化を実現した新しい半導体デバイス

【GaNFET】大幅な小型化と高性能化を実現した新しい半導体デバイス

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シリコン(Si)を使った半導体デバイスや、その製造プロセスは年々進歩を続けてきました。しかし、シリコンではこれ以上の高性能化は難しい現状があります。
 
そこで、近年注目されているのが窒化ガリウム(GaN)を原料とした半導体デバイスです。GaNの使用により半導体デバイスは大幅に小型化・高性能化されました。
 
本コラムではシリコンの代わりにGaNを利用した半導体デバイスについて簡単に解説いたします。

 

 
 

【パワー半導体デバイスとは】

パワー半導体デバイスとはスイッチング電源等のパワーエレクトロニクス機器で使用される半導体デバイスです。これは電力の制御や変換に用いられます。

 

パワー半導体デバイスは具体的には以下の働きをします。

 

 

パワーデバイスは電力の変換に用いられるため一般的な半導体素子より高耐圧・高電流を制御する事が求められます。
 
また環境保護の観点から省エネや高効率化も非常に重要な課題です。パワー半導体デバイスは高耐圧化と高効率化を目指し進化しています。
 
 

【トランジスタとは】

トランジスタはシリコンを材料とするパワー半導体デバイスです。
 
「ベース」「コレクタ」「エミッタ」と呼ばれる3つの端子を持ち、ベース電極からエミッタ電極に電流を流すと、その電流の何十倍もの電流がコレクタからエミッタへ流れるので、電流増幅器として使用されます。
 
また、電気回路で電気信号のオンとオフを高速で切り替える電気スイッチとしても使用されます。金属と金属が接触する事でオンオフを切り替える機械式スイッチより高寿命で、高速なスイッチングができるので様々な電子機器で使われています。
 

 
 

【FETとは】

FETとはField Effect Transistor の略で日本語では電界効果トランジスタといいます。
 
FETは3つの端子( ゲート:G、ドレイン:D、ソース:S)からなる集積回路で、ゲート電極に電圧を加えてソース―ドレイン間の電流を制御するトランジスタの一種です。
 
トランジスタがベース電極への通電によってコレクタ ―エミッタ間の電流を制御するのに対し、FETはゲート電極にかける電圧の制御によって、ドレイン―ソース間の電流を制御する違いがあります。
 
FETも電気信号の増幅機能とスイッチング機能がありますが、スイッチング速度がトランジスタより高速であるためスイッチング用途でよく使われています。
 
 

 

【MOSFETとは】

MOSFETはシリコン等の半導体基板の上に酸化膜を作り、その上に金属でできたゲート電極がある構造になっています。MOSは”Metal(金属) Oxide(酸化膜) Semiconductor(半導体)”の略です。
 
MOSFETはゲート電極に加える電圧でドレイン―ソース間の電流を制御します。非常に高速なスイッチングが可能で、現在のパワーエレクトロニクスではなくてはならない存在です。スイッチング電源やコンバーターではスイッチング素子としてLC回路に必要な電力を供給する役割で使用されます。
 
 

 
 

【製品資料ダウンロード】

対応規格や製品性能、応用例などをご紹介


 
 
 

【次世代のパワー半導体デバイス】

MOSFETに限らず現在のパワー半導体デバイスの多くは、半導体部分の材料にシリコン(Si)を用いています。シリコンは地球上に多く存在しており、材料としての物量が豊富である点と、加工がしやすい点により半導体の主材料としてよく使われます。
 
シリコンを用いた半導体デバイスの製造技術やプロセスは進歩を続けてきました。しかし、現状はシリコンの特性を引き出せる限界まで達してしまったと言われていて、近年ではパワー半導体デバイスに使用できる次世代の半導体材料として炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)が注目されています。
 
 

 
 

【ワイドバンドギャップ半導体】

電子や正孔(ホール)が、価電子帯から伝導帯に移動するために必要なエネルギーをバンドギャップと言い、バンドギャップ値の大きい半導体をワイドバンドギャップ半導体といいます。ワイドバンドギャップの例としては、GaN(窒化ガリウム)やSiC(シリコンカーバイド)が挙げられます。
 
ワイドバンドギャップ半導体は、シリコンより絶縁破壊電界強度(絶縁耐力)・熱伝導度などが高いため、パワーデバイスに使用すると以下のメリットがあります。
 
・高温での動作が可能
・電力変換ロスの低下
・スイッチングの高速化
 

 

■GaNがもたらすメリット/デメリット

GaN(窒化ガリウム)とはガリウムナイトライドとも呼ばれる半導体材料で、ガリウムとニトロゲンの結合物です。シリコンやSiCに比べ非常に結合力が強く安定しており絶縁破壊電界強度に優れています。
 
GaNパワー半導体は高周波で動作するアプリケーションに向いており、スイッチング電源で使用する場合、高周波でスイッチングさせることで、インダクタなどの周辺部品の小型化が可能です。
 
一方でGaNパワー半導体にはまだ解決しなくてはならない技術的な課題も存在しています。
 
例えば、シリコンなどに比べノイズに弱いという欠点があります。ノイズの影響を最小限にするため基板レイアウトを工夫してインダクタンスを低減するなど、GaNパワー半導体の周辺回路設計は非常に難易度の高い回路設計が必要となります。
 
 

■なぜ今GaNが注目されるのか?

これまでもGaN(窒化ガリウム)はSi(シリコン)と比較して、圧倒的にパワー半導体デバイスに適した特性を持っていると考えられてきました。
 
しかしGaNの製造プロセスに課題があり歩留まりが低かったことから製造コストが非常に高かったのです。いくら性能が良くてもコストではるかに優位性をもっていたSi(シリコン)の方が市場に受け入れられていました。しかし、昨今では技術の進歩と共にGaNの製造プロセスも大幅に改善されてきました。
 
GaNが普及するには製造コストの低減が大きな課題でしたが、それを現実的なレベルにしたのは次の2点が大きな要因だと考えられます。
 

① ウエハーの大型化

② 既存のシリコンデバイス向け製造設備の再利用

 

ウエハーとは半導体デバイスの材料で、円柱状のシリコンインゴットを薄くスライスした円盤状の板です。ウエハーの直径が大きくなると、1枚のウエハーからより多くの集積回路チップを切り出せるようになるので、製造コストの低減を意味します。従ってウエハーの直径は年々大型化されているのです。

 
 

 
 
これまでシリコンデバイスの製造に占有されていた製造設備も、ウエハーを大型化するために新しい設備へと交換されています。それに伴い、使わなくなった古い製造設備をGaNの製造に再利用するケースが増えてきました。
 
前述の通りGaNはSiに比べて小型化ができるため、同じ性能であれば1枚のウエハーから切り出せる数がSiよりもはるかに多くなります。省エネ化や小型化といった需要によりGaNの生産量は増えていき、製造コストのさらなる低減によって GaNは次世代のパワーデバイスとして益々普及していくと思われます。
 

 
 

■GaNFET搭載 ACアダプター

 

 

 

弊社で扱う最新のGaNFET搭載ACアダプターはGaNFETを電力変換システムに応用し、従来のMOSFET搭載型の同容量電源と比べ劇的な性能の向上と大幅な小型化・軽量化に成功しています。

 

 
 
また、IT機器/AV機器に対する新しい安全規格IEC62368-1(旧規格:IEC60950−1、IEC60065)をはじめ、医用電気機器向けのIEC60601-1(第3.1版)、PSE(電気用品安全法)等、国際的な安全規格や各国の法規制に準拠した信頼性の高い製品で安心してご使用いただけます。
 
 

【製品資料ダウンロード】

GaNFET搭載アダプターに関する資料ダウンロードはこちらです。ぜひご覧ください。

 

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この記事を書いた人

高田 悠以(たかだ ひろい)
株式会社エスエムアイ 代表取締役
1983年、愛知県生まれ。名古屋外国語大学卒業後、シアトル留学を経て株式会社エスエムアイに入社。
医療用絶縁トランス、スイッチング電源、ACアダプター、DC-DCコンバーター等 電源製品の開発営業として勤務。日本のモノづくりを愛し、「お客様のお客様を満足させる事が真の顧客満足」をモットーに営業活動に従事。2018年に株式会社エスエムアイの代表取締役に就任。

本コラムに掲載している情報は、株式会社エスエムアイの調査/収集した情報を共有する事を目的としております。掲載にあたり内容に間違いがないかできる限り注意を払いましたが、内容についていかなる表明・保証を行うものではありません。実際に機器設計や電源選定を行う際は、当資料の情報に全面的に依拠せず、最新の法令・規格・技術情報をご確認下さいますようお願い申し上げます。
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