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DC/DC低電圧バッテリースターター(CVS-280)

DC/DC低電圧バッテリースターター(CVS-280)

このコラムでわかること
 

  • 鉄道車両が直面するバッテリー放電問題の概要
  • バッテリー放電が鉄道車両にもたらす具体的な問題点
  • バッテリー放電の主な原因
  • バッテリー放電に対する効果的な対策
  • 低電圧バッテリースターター「CVS-280」の特長と技術的メカニズム
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    (この記事は 約5分 位で読めます。)
     

     
     

    鉄道車両が直面する放電問題とは

    鉄道車両におけるバッテリー放電問題をご存じでしょうか?鉄道運営において、バッテリー放電は深刻な課題です。電車は架線からの高電圧をパンタグラフを通じて取り入れ、オンボードの変換装置を使用して様々な電圧レベルの直流電源に変換し、車両内の機器を稼働させます。しかし、バッテリーが完全に放電してしまうと、車両の起動や重要な電子機器の機能が停止し、安全性と運行効率に影響を及ぼします。
     
     

     
     
    鉄道車両におけるバッテリーの重要性は計り知れません。電力が失われた際には、バッテリーが照明やドアの開閉といった基本的な機能を支え、乗客の安全と快適を守ります。また、ディーゼル機関車のように内燃機関を持つ車両では、バッテリーはエンジンを始動するために不可欠です。
     
    空調やブレーキ制御のような補助システムもバッテリーからの電力で動いており、電車がブレーキをかける時には、その際に生じるエネルギーをバッテリーが貯めて、後で再利用することができます。このように、鉄道車両において必要不可欠な存在といえるバッテリーが完全に放電してしまうと、さまざまな問題が引き起こされます。
     
    この問題は単に車両が起動できないという状況を超え、安全性、信頼性、および運行効率に深刻な影響を及ぼします。今回のコラムでは「鉄道車両の直面する放電問題」に焦点を当て、その概要や解決策の提案をご紹介させて頂きます。
     
     

    バッテリー放電がもたらす様々な問題

    バッテリーが放電するということは、バッテリーの蓄えていた電力を使い切ってしまい、バッテリーが電力を供給する機能を失ってしまう状態を指します。これは車両の運行や安全性に直接影響を及ぼす可能性があります。具体的には、車両のバッテリーが完全に放電してしまうと、その車両を起動することができなくなります。
     
    車両が長期間にわたって使用されず、バッテリーが適切に充電されない場合、自然放電によってバッテリーが完全に放電することがあります。一日の鉄道運行スケジュールの初めに車両が起動できない場合、運行計画に遅れが生じ、結果としてその日の全ての運行スケジュールに影響が及ぶ可能性があります。車両の運行スケジュールに遅延が発生してしまうと、利用者へのサービス提供に影響を及ぼします。また、特定の安全システムや緊急時対応システムがバッテリーに依存している場合、バッテリーの放電は安全性への重大なリスクとなり得ます。
     
     

     
     

    バッテリー放電の主な理由

    バッテリー放電の原因と背景は多岐にわたります。バッテリーは使用していない状態でも、時間の経過と共に電荷を失う性質があり、これを自然放電と呼びます。
     
    自然放電の率は、バッテリーの種類、保存状態、温度などによって異なります。鉄道車両を留置する際には、パンタグラフを下ろし、バッテリースイッチをオフにすることが一般的です。これは、車両が使用されていない間に電気系統に電力が流れるのを防ぐためです。
     
    また、寒冷気候はバッテリーの化学反応を遅らせ、放電率を高めることがあります。特に寒冷地では、バッテリーの性能低下が顕著に現れることがあります。バッテリーの老朽化も放電の一因であり、時間の経過と共に内部で化学的な変化が起こり、電荷を保持できる量が減少し、放電率が高くなります。
     
    さらに、車両内の電気機器やシステムが完全にシャットダウンしていない場合、微量の電力が継続して消費され、バッテリーが長期間にわたり放電することがあります。
     
     

    低電圧バッテリースターター「CVS-280」

    鉄道車両が直面するバッテリー放電問題に対する革新的な解決策として低電圧バッテリースターター「CVS-280」をご紹介させていただきます。
     
     

     
     
    CVS-280は、高電圧の架線電力から直接電力を取り入れ、低圧直流電源を生成し、完全に放電したバッテリーがあっても、車両の主要な機器やシステムが正常に機能するように設計されています。400Vから1100Vdcまでの広範囲の入力電圧に対応し、24Vから110Vまでの出力電圧を提供します。この幅広い入力電圧範囲は、さまざまな鉄道ネットワークの要件に柔軟に適応できることを意味します。
     
    高効率のDC/DC変換技術により、280ワットの連続出力と400ワットのピーク出力を、エネルギー損失を最小限に抑えて実現します。さらに、サージ保護機能、高度な制御ロジック、および-40℃から+85℃までの広範囲の動作温度が、厳しい環境下でも製品の信頼性と安定性を保証します。
     
     

     
     
    低電圧バッテリースターター CVS-280の詳細情報はコチラ
     
     

     
     
    さらに、CVS-280にはOutput ORing Diodeが搭載されており、これが複数の電源を並列接続する際に重要な役割を果たします。この機能は、逆流を防ぎ、電源間の独立性を維持することで、一つの電源が低下しても他の電源からの電力供給に影響を与えません。これにより、システムの信頼性と冗長性が向上します。
     
    また、電源間での切り替えをスムーズに行い、故障やメンテナンスで電源がオフラインになる状況でもシステム運用が継続可能です。この特徴により、CVS-280を活用して並列に電源システムを構築する際にも安心して利用できます。
     
     

    CVS-280の特長


     
     

  • 連続出力: 280W、ピーク出力: 400Wで、安定した電源供給を実現。
  • 電圧範囲: 入力400-1100Vdc、出力24Vから110Vまで、幅広い電圧レベルに対応。
  • 耐電圧性能: 高い耐電圧性能を持ち、サージや電圧変動からシステムを保護。
  • 高絶縁性能: 7kVrmsの高絶縁性能により、安全な運用を確保。
  • コンパクトで堅牢な設計: 厳しい環境条件下でも高い信頼性を提供。
  • 出力用ORingダイオード: 複数の電源システムの安全な並列運用を可能にします。
  • 安全認証: 最新の鉄道関連規格に準拠し、幅広いアプリケーションでの使用が可能。
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    CVS-280は、鉄道車両のバッテリー放電問題に対する効果的かつ革新的な解決策を提供します。その高いカスタマイズ性により、さまざまな鉄道関連アプリケーションに最適なソリューションを提供し、鉄道運営の信頼性と効率を大幅に向上させることができます。プロジェクトに合わせたカスタマイズが必要な場合は、是非ご相談ください。
     
     
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    この記事を書いた人

    高田 悠以(たかだ ひろい)
    株式会社エスエムアイ 代表取締役
    愛知県生まれ。名古屋外国語大学卒業後、シアトル留学を経て株式会社エスエムアイに入社。
    医療用絶縁トランス、スイッチング電源、ACアダプター、DC-DCコンバーター等 電源製品の開発営業として勤務。日本のモノづくりを愛し、「お客様のお客様を満足させる事が真の顧客満足」をモットーに営業活動に従事。2018年に株式会社エスエムアイの代表取締役に就任。
    本コラムに掲載している情報は、株式会社エスエムアイの調査/収集した情報を共有する事を目的としております。掲載にあたり内容に間違いがないかできる限り注意を払いましたが、内容についていかなる表明・保証を行うものではありません。実際に機器設計や電源選定を行う際は、当資料の情報に全面的に依拠せず、最新の法令・規格・技術情報をご確認下さいますようお願い申し上げます。
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